私が願うのは
危険から護られることではなく
危険のさなかで恐れないことです
哀しみのどん底、心のはげしい痛みの中で
慰めてもらうことではなく
哀しみを克服し、勝利をうたうことなのです
あなたが来て私を救ってくださる
これを私は願っていません
私が願うのはのりこえてゆく力です
ただ私が重荷を担う、その力をお与え下さい
暗い悲しい夜
失意以外、何もない夜にも
ああ 決してあなたを
疑うことがありませんように
ラビンドラナート・タゴール『ギタンジャリ』より
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インドの著名な知識人、タゴールの詩です。アジアで初めてノーベル文学賞を受賞した作家であり、マハトマ・ガンジーに「マハトマ (偉大なる魂)」という尊称を送ったのも、タゴールらしい。その作者の有名な作品が「ギタンジャリ (歌のささげもの)」です。
高嶋みどりの合唱曲に「あなたが歌えと命じる時に」という曲があって、その関係でタゴールの詩集を探していたとき、詩集を Amazon で出品してくれた方にこの詩のことを聞き、ちょっと調べてみました。
もともと「ギタンジャリ」は原語のベンガル語で書かれましたが、作者自身の手により英訳され、157篇中53篇が、英訳版「ギタンジャリ」に収録されました。その他50篇は、別のベンガル語詩集から選んだものが英訳されたものが収録されました。ですから、原語版と英訳版では、内容は案外異なるのです。イギリス人など、白人が読むことを念頭にして編纂されたのが英語版といえるかもしれません。
ややこしいことに、原語版「ギタンジャリ」から英訳版には入れられなかった詩の中からのいくつかが、別の英訳詩集に収録され、冒頭の詩 (原語版ギタンジャリでは No.4) は、「Fruit-Gathering (果実あつめ、収穫祭)」に収録されています。ですから、収録されているのは、原語版「ギタンジャリ」か、英訳版「Fruit-Gathering」ということになります。
この詩は、山室静、渡辺照宏両氏によって訳され、それぞれ、『タゴール著作集. 第1巻』第三文明社、1981年と『タゴール詩集』岩波書店、1977年に日本語訳がありますが、どちらも文語体。さわりの部分はこんな感じです。
口語体のものはどうやら、『愛をこめて生きる―"今"との出逢いをたいせつに』 PHP文庫、1999年や、その他の本にも入っているようですが、未確認なので、わかったらまたブログに書こうと思います。
危険から護られることではなく
危険のさなかで恐れないことです
哀しみのどん底、心のはげしい痛みの中で
慰めてもらうことではなく
哀しみを克服し、勝利をうたうことなのです
あなたが来て私を救ってくださる
これを私は願っていません
私が願うのはのりこえてゆく力です
ただ私が重荷を担う、その力をお与え下さい
暗い悲しい夜
失意以外、何もない夜にも
ああ 決してあなたを
疑うことがありませんように
ラビンドラナート・タゴール『ギタンジャリ』より
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インドの著名な知識人、タゴールの詩です。アジアで初めてノーベル文学賞を受賞した作家であり、マハトマ・ガンジーに「マハトマ (偉大なる魂)」という尊称を送ったのも、タゴールらしい。その作者の有名な作品が「ギタンジャリ (歌のささげもの)」です。
高嶋みどりの合唱曲に「あなたが歌えと命じる時に」という曲があって、その関係でタゴールの詩集を探していたとき、詩集を Amazon で出品してくれた方にこの詩のことを聞き、ちょっと調べてみました。
もともと「ギタンジャリ」は原語のベンガル語で書かれましたが、作者自身の手により英訳され、157篇中53篇が、英訳版「ギタンジャリ」に収録されました。その他50篇は、別のベンガル語詩集から選んだものが英訳されたものが収録されました。ですから、原語版と英訳版では、内容は案外異なるのです。イギリス人など、白人が読むことを念頭にして編纂されたのが英語版といえるかもしれません。
ややこしいことに、原語版「ギタンジャリ」から英訳版には入れられなかった詩の中からのいくつかが、別の英訳詩集に収録され、冒頭の詩 (原語版ギタンジャリでは No.4) は、「Fruit-Gathering (果実あつめ、収穫祭)」に収録されています。ですから、収録されているのは、原語版「ギタンジャリ」か、英訳版「Fruit-Gathering」ということになります。
この詩は、山室静、渡辺照宏両氏によって訳され、それぞれ、『タゴール著作集. 第1巻』第三文明社、1981年と『タゴール詩集』岩波書店、1977年に日本語訳がありますが、どちらも文語体。さわりの部分はこんな感じです。
幸なきに 守りませとは
われ祈らず
幸なくば 怖ぢずあらなむ
口語体のものはどうやら、『愛をこめて生きる―"今"との出逢いをたいせつに』 PHP文庫、1999年や、その他の本にも入っているようですが、未確認なので、わかったらまたブログに書こうと思います。
Comments
トラックバックしていただいたので
たどってやってきました。
ありがとうございまする。
タゴールの詩、口語体じゃないと
なんじゃこりゃーって感じになりますね^_^;
むずかしい・・
インドに行かれたんですね?
実に失敬なインド人にたくさん会いましたが
そんな彼らが憎めないどころか
好きだったりしました(^・^)
ものすごーく変わったのだろうなあ
インドはいつごろ行かれたのでしょう?インド人はしたたかというか、油断してるとついしてやられたりしますが、人懐っこくてなんか温かいところが、殺伐とした日本とは違っていいですよねぇ。
岩波書店版を先日買ったのですが、文語体だったのでスルーしてしまったみたいです、、、。
個人的にはやはり口語体が好きですね。友達にも見せたら「悩みがあるんなら言ってね」と心配されましたが(^^;)
またちょくちょくおじゃまさせてもらいますね。
では・・・!
私もぜひもっと読んでみたい
どこかで出版してくれないですかね・・
行ってからもう10年はゆうに経っていますね
ちょっと奥に行くとまだまだのどかでした
穴のあくほど見つめられ 手を振られ
芸能人か?皇族か?の心境で手を振り返し
そして値段交渉に明け暮れ・・
バカ者な事にミニなスカートを着用して
オールドデリーを歩いていたら
お尻をさわられました
しかも子供に"^_^"
脚を出して歩いてる女の人なんて1人もいなくて でもお腹は平気で出してる
しばらくしてから日本娘も出すようになりましたが
あの時はびっくりしたなあ!!
むこうもびっくりしたでしょうが。。
こんなくだらない懐かしい思いでがいっぱいの
インドです(^・^)
TB&コメントありがとうございました。私もタゴールについてそんなに詳しくはないのですよ。今実家に来ていて手元に資料がないので、火曜日以降東京に戻ったら調べてみますね<「家なき鳥」の詩。
ご報告まで。
リンクのご報告ありがとうございました。いろんな人を力づけている詩なんですね。改めてその魅力を思い起こすことができました。