演奏会と集客

土曜日は、ヴォイストレーニングを受けている先生の演奏会だったため、手伝いをしてきました。のんちゃんとウメさんも、手伝ってくれてありがとう。どんな演奏会だったかは、こちらにあります。

CDを21枚リリースしていますが、レコード会社経由で流通しているわけでもなく、置いているお店も都内3箇所。ときどきNHKのラジオ深夜便に出演するものの、メディア露出はほとんどなく、音楽コンクール入選もかなり昔。知名度的には、合唱の全国大会常連さんほどもないんでしょうけど、入場者数は400人ちょっとで会場はいっぱいになりました。

しかも、招待状で入ったお客さんは20人弱ですから、ほとんどの人はチケットを買って聞きに来る方々です。例年これくらいはコンスタントにお客さんが来ています。ピアニストへのギャラ、ホール代その他諸経費などを差し引いても、興行的にもまずまず成功、の部類に入るのではないでしょうか。比較することに意味がない、とは思いつつ、ついつい合唱関係の演奏会と比べて考えてしまいます・・・

もちろん、1000人以上の集客力のある合唱団もあれば、500程度またはそれ以上の集客ができる合唱団も少なくないでしょう。でも、その中身は?地方差もありますから、数自体で比較するのはナンセンスですが、演奏会自体でペイする団体ってどれくらいあるんでしょう。

とある合唱団の演奏を、「聞きたい」と思ってくるお客さんもいる反面、義理やチケットをもらったから、という理由で来るお客さんも少なくない。当然、ペイしない演奏会だって出てきます。その不足分は、個人の負担金となるので、そのためにせっせとバイトに励む大学生も多いはず (大学の合唱団の場合、特に)。

でも、そういう状況をみるにつけ、どうしても疑問を持ってしまうのですよ。人をひきつける要素は何なんだろう、って。もちろん、一朝一夕でいい演奏ができるようになって、自然とお客さんが集まる、ということはないものの、チケットが即日完売する演奏会もあれば、ジャンルは違うものの、ブロードウェーみたいに人が絶えないエンターテイメントもあるわけです。人が集まるか集まらないかの差って、いったい何なんでしょう?

先生の知り合いにも合唱関係者は多いのですが、「合唱をする人は、自分が歌う方に関心があるが、人が歌うのには興味がない」と言ってました。人の話に耳を傾けない合唱人が、人の音楽にも耳を傾けない傾向は、ときどき見受けられます。その辺りも関係してきそうです (自戒コメ)。

この演奏会のお客さんの年齢層は、比較的高めです。毎年、「今年は (家族か自分が) 病気で、演奏会行けません。残念です」というお便りが来たりします。ただ、手伝い裏方の人と話していて出てことですが、「この演奏会楽しみに、杖突いてでも来る人がいるんだよね。俺たちの (注: 男声合唱団所属の方) には、杖突いてまで来る人いないよな」、というくらい、いくつになっても聞きに来るコアなお客さんも多く、そうした人たちに支えられているようです。

それだけのものを生み出すのは、並外れた練習量かもしれません。レコーディングの前は、委嘱した曲1曲につき500回は歌う、と宣言して実行していました (美空ひばりの影響ですが)。ピアニストとの合わせもみっちりやってます。座右の銘は、世阿弥の『稽古は強かれ、情識は無かれ』だそうです。一人だから都合付けやすいというのはありますが、まだまだ完成度の低いアマチュアレベルの自分は、地道に練習するしかないな、と痛感させられました。

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Comments

演奏会を宣伝できる演奏会広場
2013/11/07 16:52
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2017/02/09 14:54

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