人類の知的遺産 61 タゴール

講談社のシリーズものです<人類の知的遺産。
1981年発行なので、Amazonでも手に入らないようです。
# 図書館で借りました
詩人ロビンドロナト・タゴールの生涯がかなり詳しく書いてます。

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幼な子の歌

という詩集を読みました。タゴールが「ギタンジャリ」でノーベル文学賞を受ける前の、1909年の作品。タゴールは生涯子供に関心を払っただけでなく、自身も子供の心を持ち続けた人で、詩も純真無垢な子供の言葉で書かれています。この時すでに、50歳に近いおじさんなのに。

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タゴール「家なき鳥」

グローリア・ウィーランの「家なき鳥」について知ってから、タゴールのこの詩がどこにあるのか探してきました。どうやら、1916年発表の『渡り翔ぶ白鳥 (原題: Balaka)』という詩集に入っているようです。
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ブログタイトル変更

長いことブログを放置してたものの、最近落ち着いて時間が取れるようになったので、書きかけで未公開にしたものも含めて、またぼちぼち書いていこうと思ってます。さっそくブログのタイトルから変えました。好きな詩人タゴールの一節からとった言葉です。

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タゴール『ギタンジャリ』 私が願うのは

私が願うのは
  危険から護られることではなく
  危険のさなかで恐れないことです
哀しみのどん底、心のはげしい痛みの中で
  慰めてもらうことではなく
  哀しみを克服し、勝利をうたうことなのです
あなたが来て私を救ってくださる
  これを私は願っていません
私が願うのはのりこえてゆく力です
  ただ私が重荷を担う、その力をお与え下さい
暗い悲しい夜
  失意以外、何もない夜にも
ああ 決してあなたを
  疑うことがありませんように

ラビンドラナート・タゴール『ギタンジャリ』より
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インドの著名な知識人、タゴールの詩です。アジアで初めてノーベル文学賞を受賞した作家であり、マハトマ・ガンジーに「マハトマ (偉大なる魂)」という尊称を送ったのも、タゴールらしい。その作者の有名な作品が「ギタンジャリ (歌のささげもの)」です。

高嶋みどりの合唱曲に「あなたが歌えと命じる時に」という曲があって、その関係でタゴールの詩集を探していたとき、詩集を Amazon で出品してくれた方にこの詩のことを聞き、ちょっと調べてみました。

もともと「ギタンジャリ」は原語のベンガル語で書かれましたが、作者自身の手により英訳され、157篇中53篇が、英訳版「ギタンジャリ」に収録されました。その他50篇は、別のベンガル語詩集から選んだものが英訳されたものが収録されました。ですから、原語版と英訳版では、内容は案外異なるのです。イギリス人など、白人が読むことを念頭にして編纂されたのが英語版といえるかもしれません。

ややこしいことに、原語版「ギタンジャリ」から英訳版には入れられなかった詩の中からのいくつかが、別の英訳詩集に収録され、冒頭の詩 (原語版ギタンジャリでは No.4) は、「Fruit-Gathering (果実あつめ、収穫祭)」に収録されています。ですから、収録されているのは、原語版「ギタンジャリ」か、英訳版「Fruit-Gathering」ということになります。

この詩は、山室静、渡辺照宏両氏によって訳され、それぞれ、『タゴール著作集. 第1巻』第三文明社、1981年と『タゴール詩集』岩波書店、1977年に日本語訳がありますが、どちらも文語体。さわりの部分はこんな感じです。
幸なきに 守りませとは
われ祈らず
幸なくば 怖ぢずあらなむ

口語体のものはどうやら、『愛をこめて生きる―"今"との出逢いをたいせつに』 PHP文庫、1999年や、その他の本にも入っているようですが、未確認なので、わかったらまたブログに書こうと思います。